最強の暗黒龍は喪女にゾッコン ~VRMMOの裏ボスが子作り前提で求愛してきました~
「この場所がオリゾンダスではないとすぐに悟った。周辺の匂いを嗅いで見ると、微かだがソレイユの匂いがした。その匂いを辿って飛ぶと、我よりも巨大な四角い建造物が乱立する地に行き着いた」
ちゃんと私のプレイヤーネームを覚えてくれている辺り、律儀なドラゴンだ。
語り口からして、けっこう長い話になりそうだ。
飲み物と何かつまめる物でも用意した方が良いかもしれない。
話を折るタイミングが出来たら、コーヒーでも入れよう。
エヴィさんって、コーヒー飲めるのかな?
ドラゴンって普段、何を飲み食いしてるんだろう。
おっと……いかん、いかん。エヴィさんの話しに集中せねば。
「建造物の中から、ソレイユのものと思しき窮屈な住処を見つけ出した」
「窮屈で悪かったですね。で、窓をガタガタいわせて私をビビらせたと。……あれ? ドラゴンの姿で飛び回ってたのに、誰にも見つからなかったんですか?」