ふたりの関係には嘘がある~俺様エリートとの偽装恋愛は溺愛の始まり~
「これ」
予想外の展開に困惑気味の実松くんを他所に、自宅マンションに着くなり手渡したのは、黄色のオットマンカバーとベッドカバー。
早速実松くんと一緒につけてみる。
「うん。やっぱり黄色で正解!」
薄いグレーと白が多く入った黄色でコーディネートすると優しい印象になる。
とりあえずは寝室だけだけど、殺風景で、寂しい雰囲気が一掃された。
「寝るところくらい、ホッとして欲しいから」
「それなら」
実松くんは言い掛けて、ベッドに腰掛けた。
そしてポンポンと隣を叩くので、大人しく腰掛ける。
すると少し私から距離を置いた実松くんは、そのまま横になり、膝に頭を乗せてきた。
「この方がホッとする」
そう言いながら目を閉じた実松くん。
その髪をそっと撫でると口角が上がったのが見えた。
「チョコ。美味かったよ」
「本当?」
食い気味で聞くと、実松くんは起き上がり、鞄の中から私の手作りチョコを出した。
それからひと粒手に取り、私の口元へと寄越した。