ふたりの関係には嘘がある~俺様エリートとの偽装恋愛は溺愛の始まり~
「いつもと違う」
「それはそうだよ」
去年までのような、お得パックの詰め合わせの一部をラッピングして渡すなんてさすがに失礼なことくらい、私だって分かる。
「味と見た目は保障しないけど」
「ということは手作り?」
小さく頷くと、実松くんはバーテンダーに確認を取ってからその場で箱を開け、中からひと粒のトリュフチョコを取り出し、食べた。
「どう?」
味の感想を求めるも、答えが返って来ない。
不安になり、味見しようと箱に手を伸ばす。
「ダメ。俺のだから」
蓋を閉められてしまった。
「それなら味の感想教えてよ」
意見を求めると、実松くんはモーツァルトの午後を飲みつつ、独り言のように言った。
「味の感想なら、俺の家に来てくれたら教えてやる」
「ん?あ、それはちょうど良かった」
実松くんが私のことを暗に誘っているのは分かった。
でも、実はチョコレート以外に作ったものがあったのだ。