私はあなたのストーカーです


「こき使ってって……あのなあ。お前は家政婦でもなければ、奴隷でもないんだ。小町と遊んでやってくれてるだけでも助かってんだぞ?」


呆れ笑いする先生。

先生。

先生は。

私の、未来の旦那さん。

すき。

今日も、やっぱりカッコいい。


“行ってきます”も、嬉しかったけど。

“ただいま”は、もっと嬉しい。


私は、先生の、未来のお嫁さんです。

そうですよね?


私と、ちゃんと夫婦に、なってくれますよね?


愛し合ってくれますよね。


赤ちゃん、作りますよね?


名前、一緒に考えましょうね。


二人で、幸せな家庭、築き上げましょうね?


「私が、そうしたいんです。夢でしたから」
「夢?」
「えっと……それは、」


先生のご飯作ったり。

お洗濯したり。


帰りを待ったり。


そんなこと、夢みていたという意味ですよ。


(口で言うのは、照れくさいな)


おかえりなさいのキス、本当はしたかったりするんだけど。


(そんな甘い空気はまだまだ期待できそうにない)


「お兄さん!」


小町ちゃんがやってきて――、先生に抱きついた。


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