ただのワガママでしょうか。
だいちゃんは、ガッツリ食べたいのか。ケーキを食べたことにより、後でもいいのか。

素直に言葉を受け取れない自分が、大嫌いだ。

「噛まないで」
そう言いながらだいちゃんの手が伸びてきた。
私の顔に、少し暖かいだいちゃんの手が触れる。
「唇、噛まないで。」
そういいながら、私の唇にそって指が動く。
いつの間にか反対にいたはずの、だいちゃんは、横に座っていて、
一瞬にして、緊張の空気が流れる。
視線を少しあげると、だいちゃんの大きな眼があり、逸らそうと思うのに、目を離すことができなかった。

片方だった手が、両手になり、私の顔を挟んでいる。
ふわっと顔がおりてくる。
私のおでこより少し上に、だいちゃんの顔がある。
それは、一瞬の出来事で、何が起こったのか分からなかった。

動揺している私に、何も発さず、立ち上がり、私の腕を掴み、お会計を済ませ、外へ連れ出す。
どこへ向かっているのかも分からない。私の腕を掴んだまま、どんどん歩いていくだいちゃん。何も考えられず、着い歩いた。
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