ただのワガママでしょうか。
「ホントに、特段なにかがあった訳じゃないの。私が、変に騒いでしまったんです。」
そう言い終わる前に、横から腕が伸びてきて、私のほぺったを掴み
「ゆき。ゆきは嘘の時だけ、スラスラ話せることなんてもう、とっくに気づいてるんだからな。」
だいちゃんの手のせいで、口が魚みたいになっているから、否定の言葉を言いたいのに、ちゃんと言葉にならない。


「本当の事いわないと、ずっと抑えたままにするぞ。ちゃんと話すか?」
私は、大きく首を縦に2回振った。
だいちゃんの手が離れて、落ち着かせるように息を整えた。
その離れた手は、私の手を包み込むように重なる。
だいちゃんの優しさが、暖かさが伝わってきた。

「本当に、何もなかったんです。ただ、私が勘違いしてしまって、大きな声を出しちゃいました。」

「何を勘違いしたのかな?」


「こんな、あの私に、なんも思うはずないのに、んっと冗談を笑いに変えることが、・・・」
だいちゃんの手が口に伸びる。



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