ただのワガママでしょうか。
「噛まないで。ゆっくりでいいから教えて。」
今日の集まりの事、カラオケに行った事、そこからの事、時間がかかったと思う。
ずっとゆっくり聞いてくれて、手をさすってくれていた。
話終わってから、ホテルの時計の音が響いている。
昨日のホテルと同じなのかもわからない程、今朝は、慌てていた。
お仕事できていると言っていたが、とても広いとはいえないけど、この部屋にはベッドが2つ並んでいる。
長期出張とはビジネスホテルに泊まるものなのかも分からない。本当にお仕事なのかもわからない。何のお仕事なのかも分かっていない。
それなのに、だいちゃんという存在が私の心を占めていて、この沈黙の恐怖が襲ってくる。
これで終わりになるのかな。

「だいちゃん」
シーンとしたこの部屋なのに私自身が聞こえるか、どうかくらいの声しかでなかった。

「ゆき。愛してる」
そう言って、抱きしめられた。

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