ただのワガママでしょうか。
やっと落ち着いて顔を上げ、イヤホンを耳から外した途端に

「大丈夫?」と隣から声が聞こえた。
あまりにも驚きすぎて。口をパクパクすることしかできなかった。
目の悪い私は、咄嗟に誰なのかを認識することが出来ず
自分の身体なのかと疑いたくなるほど、逃げ出そうにも
全く脳からの指示に体が従わない。

恐怖感が支配し、パニック状態になっているところに
「ごめん。大丈夫だよ。野村だよ」と
野村ってだれだ?、更なるパニック要素が増え、体が震えだす。
一生懸命に説明してくれて、
さっきのだいちゃんだと認識するまでにものすごい時間が費やされてしまった。
だいちゃんだと分かると今度は安心感から泣いてしまった。
手を握ってくれて、大丈夫、ごめんねを繰り返して、落ち着かせてくれた。


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