フェイク☆マリッジ 〜ただいまセレブな街で偽装結婚しています!〜 【Berry’s Cafe Edition】
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ぎらぎらと煌めくシャンデリアの下で招待客(ゲスト)たちと談笑する小笠原()を、遠目で見る。

彼はテンシと同じピークドカラーの黒のタキシード(ブラックタイ)を着用していた。


「……行かなくていいのかよ?」

テンシが夫の方へ顔を向けて訊く。


——と言っても、ほとんど「初対面」に近い人だからなぁ……


「正直言って、あまり顔も覚えていないのよ。
たぶん、向こうだってそうでしょうよ?」

わたしはワンショルダーの肩を大袈裟にすくめた。

今宵のドレスは、わたしの身体(からだ)に沿わせて優美なラインが出るように仕立てられたスレンダーラインだ。


——それに、「妻」に帰国することすら知らせない「夫」に、なんでこっちから声かけに行かなくちゃなんないのよ。

そう思ったら、なんだか無性に腹が立ってきた。


「テンシ、わたし今夜はこれで失礼するわ」


わたしはそう告げると、目にも鮮やかなフューシャピンクのドレスの裾を(ひるがえ)した。

そして、バンケットルームの出口に設けられた重厚なドアへ、十二センチのハイヒール(ルブタン)を向ける。

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