私の嘘は、キミのせい。



もうやだ……、自分がやだ。
こんな自分、だいっきらい。



「……奈々佳、行かなくていいの?」



綾乃の心配そうな言葉で我に返る。

そうだ、わたし呼び出されてたんだ。



「行ってくる、ね」
「いってらっしゃい」



どうしても拭いきれないものはあるけど、今はそんなこと気にしてる場合じゃない。

大輝もどこかに隠れて待ってるんだろうから、私も早く行かなくちゃ。









校舎裏に大輝の姿は見当たらなかった。

でも、きっとこの辺りを見られる場所にいるんだろう。

……なんて、今は大輝がメインってわけじゃないから、大輝のこと考えるのはこの辺で終わりにして。



それにしても、ほんとに誰が───



「……向井さん?」


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