私の嘘は、キミのせい。
名前を呼ばれ、思わず振り向くと───
「……誰……?」
まったく面識のない男子が、そこにいた。もしかしなくても、この人が私を呼び出したんだろう。それにしては顔がいい……。
……まさか、ケバい女の先輩にお金もうけ渡されて……とかじゃないよね?そうだとしたら助けて大輝。いるよね……?
というよりこの人、どこかで見た気が───
「名前、相田世津。2年5組。……呼び出したりして、ごめん」
同い年……なるほど。
だから、どこかで見たような気がしたんだ。
それだけじゃない。
“5組の相田くん”
前に綾乃が話していた気がする。
『もちろん私のいちばんは大輝だけど!この学年でタイプな顔なのは5組の相田くんかな!……あれ、相原くんだっけ』
何気ない雑談。まさか綾乃、未来見えてたのかな。
そう思って笑みが零れそうになるのを、慌てて堪える。
「……あの、それで、……なんで私を」