君と描く花言葉。
想い合うって、きっとこういうことなんだろうな。
今日初めてあった私でも、この2人には暖かくて強い絆があるように見えるもん。
その暖かさが私にまで伝染して、幸せな気持ちになれる。
他人まで巻き込んでホカホカしているのが本当の愛なんだろうなって。
月森さん夫婦を見ていると、私までニコニコしちゃう。
ほんわかした空気に和んでいると、店の奥と私のいる場所を隔てるカーテンがシャッと開く音が聞こえて、月森さんが姿を現わした。
満遍の笑みを浮かべたその腕には、大きな鉢植えが抱えられている。
「お待たせ〜!」
月森さんの持つ鉢植えには、茎に小さな葉をたくさん付けた植物が植えられていた。
なんだろう?
これも花なのかな?
「ふふふ。じゃじゃーん!
エリカちゃんのお名前のお花です!」
「え?私の…?」
「ええ!このお花もエリカっていうのよ。
まだ咲く前だから、店には出していなかったの」
「へえ……!咲いているエリカは見たことがあるんですけど、咲く前のは初めて見ました!」
「ほら見て、蕾がたくさんあるでしょう?」
その言葉につられて近付いてよく見ると、緑色の葉っぱだと思っていたものの中に、黄緑色の蕾が混じっていることに気が付く。
本当だ……!
全部葉っぱだと思ってた!
セイジの温室で紫色のエリカは見慣れたけれど、花をつける前とつけた後じゃ、こんなに違うんだ……。