大宮課長は今日もいじわる

「いいじゃないっすかー」
「おらおら、離れろ」
「大宮課長、俺とゆずちゃん、
いい感じなんで
邪魔しないでもらえます?」

水本くんがさらに私を引き寄せたから
私の肩は彼の脇腹にぴったりくっついた。
急に体が密着してドキドキした。
赤くなっているだろう顔を
見られないように素早くうつむく。

「課長には彼女がいるんでしょう?
それなのにゆずちゃんにちょっかいかけて
課長の方がよっぽど
チャラチャラしてるじゃないですかー!
あはは」
新人のくせに、
上司、しかも大宮課長に強気なのは
感心するけれど、
後々大丈夫だろうか。
大宮課長をちらりと見上げると、
腕をすみ、
蔑むような目で水本くんを見ていた。
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