大宮課長は今日もいじわる

水本くんだった。

そして、
『ゆずちゃん』と言われたことに驚いた。
いつもは、南さんと呼ぶのになぜ。

水本くんは私の肩に腕をかけ、
軽く引き寄せると、
私に目線の高さを合わせてこう言った。
「何話してた?」
「えっと…」
別にと続けようとしたが、
大宮課長の声にかきけされてしまった。

「おい、こら、水本。
チャラチャラすんな」
やめろやめろ、と言いながら
右手をヒラヒラと振った。
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