大宮課長は今日もいじわる

じゃあ、任せたよ、と
山田部長はそう言って、
パソコンを消すと、そそくさと去っていった。
孫の誕生日ケーキがどうとか呟きながら。

さて、大変なことになりましたな。
どう考えても手伝ってくれなさそうな
大宮課長が何とかしますと言った。
何の期待をしたらいいんでしょう。
絶対手伝ってくれないもん。

山田部長がいなくなって
二人とも無言で自分の仕事をしていたが
しばらく経つと
急に課長が席をたった。

「おい、まだか?」
課長は不機嫌な顔で腕時計を見ると、
時間を確認した。
「ま、まだです…
課長、手伝ってくれないんですか?
何とかするって言ったのに…
そもそも、これは課長のせい…」
「おい、トントンしてる場合かっ!
ちっ、貸せ!」
私が発注書の束を整えていると
大宮課長が舌打ちをして
その束を引ったくった。
そのまま自分の席まで持って戻り、
一分に一回ため息をつきながら
処理を始めた。
「残りくらい、自分でやれよ」
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