不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
しかし、手伝います、と言ってもこのイベントとは実質無関係の私に遠慮して、誰も仕事を回してはくれない。

さすがに部外者として居心地が悪くなってきた私は、会場の隅っこにできるだけ目立たないように立っているしかできなくなった。

「あれ?秋原さん?」

そこへ、見覚えのある人物が声をかけてきた。

「伏見さん!」

「やっぱり。どうされたんですか?」

この柔らかく紳士的な男性を、私は数ヶ月ぶりに見た。
伏見さんは以前何度かお会いしていた如月文庫の編集者さんで、編集長に紹介され、お付き合いを前提にデートをしたこともある妙な関係の男性だ。

しかし伏見さん自身が清廉潔白な性格であるため、その後は何もなく仕事仲間としての付き合いができており、なかなか信用できる人だと私は思っている。
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