不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
「じゃあ、少しずつしようよ。久遠くんのしたいこと。嫌だったら嫌ってちゃんと言うから」

「……えっ」

壁から背中を離して、私からもキスを返した。彼は欲情したまま中断され、今も下着をつけていない私を目の前にしている。それでも無理矢理はしない。それが悲かったはずなのに、今は少し感動している。

「……私も久遠くんが欲しいよ。乱暴でもいいから」

彼の耳もとで囁くと、震える手で優しく抱かれ、頭を枕へと落とされた。

笑いながら「乱暴しないじゃん」と呟くと、彼は余裕のない顔で眉を寄せ、「これから乱暴になんだよ」と言った。

こういうとき、彼は作家だと思う。

単純なのに彼らしい言葉はスッと胸に染み込んでいき、こちらの心を震わせる。
“久遠先生”というのは溜め込んだ欲望をさらけ出した彼の姿なのだ。だから彼の作品は、彼自身の本当に言いたいことが、そのまま胸に伝わってくる。
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