不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
「久遠くん……?」

彼は黙って密着したまま動かない。てっきり、エンジンを全開にしてもっと酷いことに挑戦してくるのかと思ったのに、こうして素肌を重ね合わせてくるだけだった。

「……好きだ、美和子」

何度も言われているが、このシチュエーションでは体の内側まで響いてきた。
身体が熱くなり、久遠くんの肌が引き換えて冷たく感じる。

「うん。私も好きだよ、久遠くん」

「違う」

えぇ……?
また話が迷路になる。しかし、これが久遠くんの思考回路なのだ。

「ち、違わないよ?」

「違う……。俺の方がずっと好きだ。お前に何度突き放されても、それでもそばにいてくれって駄々を捏ねてやる。多分、美和子が浮気しても、俺のこと嫌いになっても、同じだ。二番目でいいって泣きついて、お前のこと困らせる。俺はもう美和子のこと、どうやっても手放してやれない……」

「く、久遠くん……」

「でも、俺は最初に言ったからな……。こうなるって。俺と一度でも付き合ったら捨てられないって、ちゃんと言った。……悪いのは美和子だ」
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