不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
久遠くんがお父さんに会いに秋田までひとりで出掛けるような人だとは思わなかった。彼のことを何だと思っているんだと言われそうだが、私はとても感動した。

久遠くんのことをもっと知りたい。

「ねえ、私も行きたいな」

「……えっ」

私はスケジュール帳を奪い返し、リングの中に入っていたボールペンを取り出して、その日付に赤マル印をつけた。

「せっかくだから泊まってこようよ、秋田。ゆっくりしよう」

「お前、仕事は……」

「休みとるよ。編集長に頼んでみる」

彼は勝手に話を進める私に首を傾げるが、嫌がっている様子はない。
お墓参りにひとりで秋田まで行くなんて、寂しいだろう。一緒にいたい。彼のお父さんにも会いたいし。

「ね、いいでしょ?」

「……美和子……」

彼は私の背中を包んで抱き締めると、首に頭を落としてきた。彼の猫のような髪が素肌を撫でて、くすぐったい。
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