この世に生まれてくれてありがとう〜形のない贈り物〜
次の日、真紀子は誠一郎の家へと向かった。
「あっ……」
真紀子の姿を見つけると、玄関の掃除をしていた父がすぐに真紀子に駆け寄った。
「真紀子さん、お久しぶりです。お元気にしていましたか?」
真紀子は「そうね…」と曖昧に笑い、祖父母がいるかどうかを訊ねた。
「はい、いますよ」
「少し大切なお話があるの。よかったら、あなたも聞いてくれる?」
「はい」
真紀子と父は家の中へと入る。祖父母は驚いたような表情を見せたが、すぐにお茶を出し真紀子を座らせた。
「実は、妊娠したんです」
全員が席につくと、真紀子はうつむきながら言った。祖父母は驚いて顔を見合わせ、父も「えっ!?」と声を上げる。
「産むか中絶をするか、今は考えています。誠一郎くんはもう……」
真紀子は涙を拭う。
「先生は、どちらの選択を選んでもいいと仰っていました。……このことは伝えるべきだと思ってここに来ました」
「……話してくれて、ありがとう」
祖母が真紀子の手をそっと包む。真紀子の目からさらに涙がこぼれた。
「あっ……」
真紀子の姿を見つけると、玄関の掃除をしていた父がすぐに真紀子に駆け寄った。
「真紀子さん、お久しぶりです。お元気にしていましたか?」
真紀子は「そうね…」と曖昧に笑い、祖父母がいるかどうかを訊ねた。
「はい、いますよ」
「少し大切なお話があるの。よかったら、あなたも聞いてくれる?」
「はい」
真紀子と父は家の中へと入る。祖父母は驚いたような表情を見せたが、すぐにお茶を出し真紀子を座らせた。
「実は、妊娠したんです」
全員が席につくと、真紀子はうつむきながら言った。祖父母は驚いて顔を見合わせ、父も「えっ!?」と声を上げる。
「産むか中絶をするか、今は考えています。誠一郎くんはもう……」
真紀子は涙を拭う。
「先生は、どちらの選択を選んでもいいと仰っていました。……このことは伝えるべきだと思ってここに来ました」
「……話してくれて、ありがとう」
祖母が真紀子の手をそっと包む。真紀子の目からさらに涙がこぼれた。