私の名前 ~After~



「話す!…全部、聞いて…欲しい…。」

「…うん。ゆっくりでいいからな。」

私が話しやすいように、優しい笑顔を向けてくれる。

もう見れないと思っていた笑顔を見れて、なかなか涙が止まらない。


「どんなことを聞いても…絶対に離さないから。」


ギュッと連夜に抱き着き返した。




「…こっちに入社して、ずっと森谷くんに”付き合おう”って言われてたの。

もちろん、断った。彼氏がいるからって。

でも諦めてくれなくて…行動がエスカレートしてきて。見かけた紗奈が助けてくれていたの。

でも、でもね?昨日。
紗奈が休みだった。気を付けて過ごしていたのに…印刷室で森谷くんにあって。
それで…。」

それから先、口が言うことを聞いてくれなかった。

嫌いにならないと言われても、連夜に知られたくなかった。

それでも…連夜が知りたいなら、言うしかない。

「…うん。」

「……キス、されたの。」

そう言った瞬間、私を抱きしめる連夜の腕の力が強くなったのを感じた。


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