雪の光



『12月21日

ショウタと会った。
塾の帰りらしく、疲れているっぽい。』





『12月23日

侑里から電話が来た。
よく分からないけれど、とにかく走って助けた。
どこからこんな気持ちが湧いてくるのかわからなかった。』





『12月24日

明日はクリスマスだから侑里とイルミネーションを見に行く。
恋とかよく分からない。』





『12月25日

イルミネーションを見る。
北欧みたいな光景だった。
言ったら好きになれるかと思って侑里に好きだと言った。
考えたらすごく失礼なことだった。
ごめん。』





……嘘をついていたの?


ここまで読んだ今なら分かるけれど、それでも私は嘘をつかれていたという気がしてならなかった。


怒りと悲しみと悔しさが混じり合う。


ダークな色の絵の具を混ぜたみたいに。





『12月29日

大掃除をする。
父さんは掃除が得意だったのだと葬式の日にばあちゃんに聞いたことだけは覚えている。』



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