雪の光
「んー、やっぱり疲れるね、ずっと頭使うってのも」
「分かる。いつもは体育とか芸術があるもんね」
「侑里も疲れるんだ」
「当たり前じゃん、こんなの疲れない人の方が凄いよ。
尊敬する。」
急に千夏が静かになった。
そして、後ろをちらっと見る。
言わんとしていることは分かっていたし、言わないでいて欲しかった。
なのに、私の願いを裏切る。
「……部活の子と一緒に食べなくていいの?」
口に運びかけたプチトマトを弁当箱に戻す。
「……うん、いいの。
千夏と食べたいから」
軽く微笑んでみたけれど、うまく出来た気がしない。
俯いて、美味しくも不味くもない冷凍のシュウマイを口に運ぶ。
「……なら、いいけど……」
絶対に気付いている。
私が部活で何があったのか、何となく分かっているのかもしれない。
迷惑だと思う反面、気づいて欲しかった。
あまのじゃくな自分が嫌だった。