モモちゃんに溺れる
「瑠依は、小さいときからお姉ちゃんが好きだったから。」

そう言ったユキの顔が少し曇る。

彼女の表情に、一つの可能性が見えた。

「昔から瑠依の努力の根源はお姉ちゃんだった。

お姉ちゃんに釣り合う男になるためだけに、瑠依はいろんなことを頑張ってきた。

私はそれをずっと見てた。」

やっぱり、ユキは瑠依って奴のこと・・・。

「この結婚は、家同士が決めたものだけど

瑠依は本当に喜んでて、絶対お姉ちゃんを幸せにするって言ってた。」

家同士?

まてよ、モモちゃんの家って・・・

そういえば、前に田口がユキの家はでっかり病院かなんかだとか言ってた気がする。

ユキの家、つまりはモモちゃんの家。

何者なの?

「お姉ちゃんは知らないけど、政略結婚でも、瑠依にはちゃんと恋愛感情があるの。

お姉ちゃんがずっと好きだったんだもん。

やっと念願かなって、結婚できるのに・・・」

そこでまた俺を見る。

「あなたとの関係が知れたら、きっと瑠依は悲しむ。

お姉ちゃんにも、私にも、誰にも悟られないように傷つく。

瑠依は笑って許すと思うけど、そんなこと・・・私が許せない。」

その話を聞いて、確かに胸がいたむ。

気持ちがわかる。

俺だって、他の奴に触らせたくないから。


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