セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
翼の行動はいつも敏速だ。
翌日には、翼は国木田グループの権力を利用し、あっという間にマンションを見つけ、私の荷物を追い出した。
私はまたしても玲於に連絡出来ずにいた。
何度電話をしても繋がらない。何度LINEをしても{既読}がつかない。
私は、里穂と翼の思い通りに動かされていた。
私がポツリと運び込まれた荷物の中にうずくまっていると、里穂が、颯爽と[離婚届]を持ってやって来た。
うなだれている私に里穂は言った。
「さあ、約束よ。サインしなさい」
里穂はスカッとした声を出す。
「わ、わかった。けど、教えて。里穂は一体何で私にこんな仕打ちをするの?」
「あんた、忘れたの?」
「え?」
「私が大学に進学する時、整形した事、私の新しく出来た彼氏に言ったでしょ?私が一番大好きだった彼氏に…」
「…待って、私は言ってない。私は誰にも言ってない」
里穂、違う。
私じゃない。
勘違いだよ。
信じてよ。
「違う。あんたしか、私の整形は知らない。奏音以外ありえない」
「私は、私は誰にも………あ、里穂、里穂のご両親と妹は知ってたでしょ?」
「家族は言う訳ないでしょ。隠すでしょ。」
里穂は悔しそうに話を続けた。
「整形がばれたその日、私の大好きだった彼氏は車にはねられて死んだわ。私の整形を聞いてショックで、誤って道路に倒れこんだ。そこへ勢いよく車が走って来て………即死だった」
「私の彼氏が死んだことは流石に覚えてるでしょ?」
「お、覚えてる……でも、整形の話は私はしてない。勘違いよ」
私は息を呑んだ。
「それが原因で、私をずっと憎んで来たの?」
私は涙がゆっくりと頬に流れた。
翌日には、翼は国木田グループの権力を利用し、あっという間にマンションを見つけ、私の荷物を追い出した。
私はまたしても玲於に連絡出来ずにいた。
何度電話をしても繋がらない。何度LINEをしても{既読}がつかない。
私は、里穂と翼の思い通りに動かされていた。
私がポツリと運び込まれた荷物の中にうずくまっていると、里穂が、颯爽と[離婚届]を持ってやって来た。
うなだれている私に里穂は言った。
「さあ、約束よ。サインしなさい」
里穂はスカッとした声を出す。
「わ、わかった。けど、教えて。里穂は一体何で私にこんな仕打ちをするの?」
「あんた、忘れたの?」
「え?」
「私が大学に進学する時、整形した事、私の新しく出来た彼氏に言ったでしょ?私が一番大好きだった彼氏に…」
「…待って、私は言ってない。私は誰にも言ってない」
里穂、違う。
私じゃない。
勘違いだよ。
信じてよ。
「違う。あんたしか、私の整形は知らない。奏音以外ありえない」
「私は、私は誰にも………あ、里穂、里穂のご両親と妹は知ってたでしょ?」
「家族は言う訳ないでしょ。隠すでしょ。」
里穂は悔しそうに話を続けた。
「整形がばれたその日、私の大好きだった彼氏は車にはねられて死んだわ。私の整形を聞いてショックで、誤って道路に倒れこんだ。そこへ勢いよく車が走って来て………即死だった」
「私の彼氏が死んだことは流石に覚えてるでしょ?」
「お、覚えてる……でも、整形の話は私はしてない。勘違いよ」
私は息を呑んだ。
「それが原因で、私をずっと憎んで来たの?」
私は涙がゆっくりと頬に流れた。