月は紅、空は紫
以上が権蔵が小森に話した事の一部始終である。
その後、小森は権蔵に案内されて死体のある川辺に向かい、死体の惨状に驚きながらも検分と現場の保護を施してから中村を探して市中を走り回っていた――というところであった。
中村に話終わった頃には、小森の乱れきった息も整っていた。
既に、準備は万端、後は中村自身による検分を待つだけ、といったところである。
小森から、それらの詳細を聞いてから、中村はゆっくりと立ち上がった。
但馬屋の番頭に茶の礼を言い、購入した荷物は御役所の方に届けておくように短く告げると、返す所作で小森に現場まで案内するように言い付ける。
番頭に見送られながら店を出ようとした時、思い出したように中村は小森に質問をした。
「小森、見付かった死体は――『殺された』ものなのだな?」
小森は、中村の質問に「へい」と短く肯定の言葉を返す。
それを聞いた中村は、顎に手を当ててしばし考えた後に提案をするように小森に一つの用事を言い渡した。
「そうか――ならば、あやつを呼んでおいた方が話が早いな」
その後、小森は権蔵に案内されて死体のある川辺に向かい、死体の惨状に驚きながらも検分と現場の保護を施してから中村を探して市中を走り回っていた――というところであった。
中村に話終わった頃には、小森の乱れきった息も整っていた。
既に、準備は万端、後は中村自身による検分を待つだけ、といったところである。
小森から、それらの詳細を聞いてから、中村はゆっくりと立ち上がった。
但馬屋の番頭に茶の礼を言い、購入した荷物は御役所の方に届けておくように短く告げると、返す所作で小森に現場まで案内するように言い付ける。
番頭に見送られながら店を出ようとした時、思い出したように中村は小森に質問をした。
「小森、見付かった死体は――『殺された』ものなのだな?」
小森は、中村の質問に「へい」と短く肯定の言葉を返す。
それを聞いた中村は、顎に手を当ててしばし考えた後に提案をするように小森に一つの用事を言い渡した。
「そうか――ならば、あやつを呼んでおいた方が話が早いな」