水月夜
私を不安と恐怖におちいらせる最大の要素は、なんといっても直美の表情。
遠くから見れば満面の笑みに見えるけど、近くで見ると拒否を許さないとでもいうような笑顔の気がしてきて怖い。
カタカタと歯で音を立てる私など完璧にスルーして、直美がグイグイと私のカバンを引っ張る。
「ねぇ梨沙、ついてきてよー。怖いことはなんにもしないから」
怖いことはなんにもしないと言っておきながら、私のカバンをグイグイ引っ張ってるってどういうこと?
逆に怖いよ。
小刻みに首を震わせてあとずさろうとすると、カバンを肩にかけた雨宮くんが現れた。
「やめろよ、大坪。柏木が嫌がってるじゃん」
雨宮くんが直美を止めに入ったことにより、クラスメイト全員が私と直美に目を向けた。
グイグイと私のカバンから直美の手を離そうとする雨宮くんだが、相当強く引っ張っているのか、なかなか離れない。
自分の手がカバンから離れないのをいいことに、直美がコソッとささやいた。
「離してよ、雨宮くん。すごく痛いんだけど」
遠くから見れば満面の笑みに見えるけど、近くで見ると拒否を許さないとでもいうような笑顔の気がしてきて怖い。
カタカタと歯で音を立てる私など完璧にスルーして、直美がグイグイと私のカバンを引っ張る。
「ねぇ梨沙、ついてきてよー。怖いことはなんにもしないから」
怖いことはなんにもしないと言っておきながら、私のカバンをグイグイ引っ張ってるってどういうこと?
逆に怖いよ。
小刻みに首を震わせてあとずさろうとすると、カバンを肩にかけた雨宮くんが現れた。
「やめろよ、大坪。柏木が嫌がってるじゃん」
雨宮くんが直美を止めに入ったことにより、クラスメイト全員が私と直美に目を向けた。
グイグイと私のカバンから直美の手を離そうとする雨宮くんだが、相当強く引っ張っているのか、なかなか離れない。
自分の手がカバンから離れないのをいいことに、直美がコソッとささやいた。
「離してよ、雨宮くん。すごく痛いんだけど」