水月夜
「このクラスの女王様のあんたならなんでも手に入るかなと思ったけど、緒方先輩の心までは手に入らないか。残念」
その言葉を聞いていると、ヒロエは直美を“ほしいものをなんでも手に入れられる女王様”だと思っているのではないかと考えさせられる。
だが、自分の今の気持ちを口に出すことはしなかった。
「な、なんであんたがそんなこと……!」
「なんで? そんなの簡単じゃん。直美が緒方先輩にフラれた現場を私が見たからよ」
「そんな……!」
直美にとって、自分のフラれ現場をヒロエに見られたことは恥ずかしいことだったようだ。
理由をヒロエが言ったあと、直美の顔が真っ赤になったから。
さらに直美の羞恥心を刺激するように、クラス全員がヒソヒソと話しはじめた。
「え……大坪さん、緒方先輩にフラれたの?」
「いつの間に告白したの? 知らなかった……」
「大坪さんがフラれたなんて意外。でもまぁ、フラれてよかったよ。もし付き合うことになったらますます調子乗るもんね」
「たしかに」
その言葉を聞いていると、ヒロエは直美を“ほしいものをなんでも手に入れられる女王様”だと思っているのではないかと考えさせられる。
だが、自分の今の気持ちを口に出すことはしなかった。
「な、なんであんたがそんなこと……!」
「なんで? そんなの簡単じゃん。直美が緒方先輩にフラれた現場を私が見たからよ」
「そんな……!」
直美にとって、自分のフラれ現場をヒロエに見られたことは恥ずかしいことだったようだ。
理由をヒロエが言ったあと、直美の顔が真っ赤になったから。
さらに直美の羞恥心を刺激するように、クラス全員がヒソヒソと話しはじめた。
「え……大坪さん、緒方先輩にフラれたの?」
「いつの間に告白したの? 知らなかった……」
「大坪さんがフラれたなんて意外。でもまぁ、フラれてよかったよ。もし付き合うことになったらますます調子乗るもんね」
「たしかに」