水月夜
クラスメイトのヒソヒソ話に素早く反応し、鋭い目つきでクラスメイトを睨みつける直美。


しかし、誰も話をやめなかった。


今はもう、クラスメイトにとって直美は恐怖の対象ではないから。


体を小刻みに震わせ、直美は私を睨んできた。


びくっと体を震わせるが、雨宮くんに引き寄せられたので、睨まれる以上のことはされなかった。


直美が私を睨みつけたことにヒロエと紀子が気づかないわけがなく、ふたりはニヤッと口角を上げた。


「直美、素直に認めなよ。自分は梨沙やクラスメイトの気持ちなどおかまいなしに自分勝手に振る舞う最低なやつだって」


「ヒロエの言うとおり。聞いたところによると、クラス全員の悪口を言ってたそうじゃない?」


「……っ!」


顔を勢いよくヒロエと紀子に向ける直美。
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