水月夜
ここでもし私が直美を助けようと手を伸ばしたら、間違いなく私は直美にいじめられるだろう。


下唇を軽く噛みながら心の中でつぶやいていると、直美がポケットからなにかを取りだした。


それを私とヒロエと紀子に見せた瞬間、直美の表情が変わった。


まるで自分の勝利を確信するかのように、ニヤッと不敵な笑みを浮かべている。


いっぽうのヒロエと紀子は、直美とはまったく違う表情をしていた。


直美にさげすんだ目を向けたのが嘘なのかと疑うくらい、ふたりは顔を青ざめた。


と、ここではっと気づいた。
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