水月夜
だが、またしても私たちは攻撃をかわした。


それでも直美の暴走は止まらない。


私たちがいるところ関係なく、なにもないところにまでナイフを振りあげた。


その隙に、私はヒロエと紀子とともに遊具の影に素早く隠れた。


そっと直美にバレないように直美の様子を確認したあと、コソッとふたりに話しかけた。


「どうするの? このままじゃ私たち、危ないよ」


「そうね……。まさか直美がナイフ持ってくるとは思わなかったし」


腕を組んで、気難しそうな顔をする紀子。
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