水月夜

私の気持ち


隣街に行った次の日。


この日は目覚めが悪かった。


目覚まし時計とスマホにアラームをセットしてもなかなか起きられず、朝ご飯ができたと呼びにきたお母さんに起こされた。


渋々ベッドから起きあがり、制服に着替え、カバンを持って階段を下りる。


小さなあくびをひとつしていると、お母さんがきょとんとした顔で私を見つめてきた。


「……なに?」


「梨沙……昨日なにかあったの?」


お母さんには、昨日隣街でなにがあったのかは話していない。


話したら、めんどくさいことになりそうだから。


「べつに。なにもなかったよ」
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