ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
「奥様のことで、なにかあったんじゃないんですか?」

 どうして西留がそんなことを。

「なぜそう思う」

 胸騒ぎがした。

 なにか知っているのか?

 真っ直ぐにこちらを見つめる彼女を見て、漠然と、これから良くないことを聞かされる確信があった。

「私、以前奥様にお話したんです」

 心臓が早鐘のように打つ。

「常務には、社外にずっと思いを寄せていた好きな人がいると」

 俺は一瞬、頭が真っ白になった。

「彼女にそんなことを話したのか?」

 怒りに声が震えた。

 小春の考えたいことってまさか……。

 思考を巡らせようとしている中、西留はさらに言葉を続ける。
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