ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
こうして近くで見るのは初めてだけれど、背が高くてスタイルも完璧。淡いグレーのアイシャドウが似合う涼やかな目もとがとても綺麗だ。
小柄で年齢よりも幼く見られがちの私とはなにもかも正反対。同じ女として、大人の魅力がある西留さんのような女性には憧れる。
彼女はわずかに乱れたショートカットの黒髪をさっと耳にかけ直す。その仕草ひとつ取っても、一瞬はっとするほど美しかった。
颯馬さんひとりでも十分なのに、西留さんがそばにいるとひと際目立ってしまいそうだ。ふたりが並んでいると、本当にドラマや雑誌の撮影でも始まるみたい。
そんなことを考えていると、颯馬さんがおもむろに口を開いた。
「社長か」
私には意味がわからなかったが、西留さんは、「はい。社長から、常務を十二時に【ホテル・ハルオ】までお連れするようにと」と答える。
ようするに、彼女がここに来たのは颯馬さんのお父様の指示らしい。それを聞いた颯馬さんは、眉根を寄せて深いため息をつく。
「ったく、今日は仕事じゃないのに。すまないな、西留」
「いえ、私もちょうどご挨拶をしたいと思っておりましたので」
そう言った西留さんが、ふとこちらに視線を向ける。私は緊張から、バッグを持っていた手にぎゅっと力が入った。
小柄で年齢よりも幼く見られがちの私とはなにもかも正反対。同じ女として、大人の魅力がある西留さんのような女性には憧れる。
彼女はわずかに乱れたショートカットの黒髪をさっと耳にかけ直す。その仕草ひとつ取っても、一瞬はっとするほど美しかった。
颯馬さんひとりでも十分なのに、西留さんがそばにいるとひと際目立ってしまいそうだ。ふたりが並んでいると、本当にドラマや雑誌の撮影でも始まるみたい。
そんなことを考えていると、颯馬さんがおもむろに口を開いた。
「社長か」
私には意味がわからなかったが、西留さんは、「はい。社長から、常務を十二時に【ホテル・ハルオ】までお連れするようにと」と答える。
ようするに、彼女がここに来たのは颯馬さんのお父様の指示らしい。それを聞いた颯馬さんは、眉根を寄せて深いため息をつく。
「ったく、今日は仕事じゃないのに。すまないな、西留」
「いえ、私もちょうどご挨拶をしたいと思っておりましたので」
そう言った西留さんが、ふとこちらに視線を向ける。私は緊張から、バッグを持っていた手にぎゅっと力が入った。