今でもおまえが怖いんだ
冷蔵庫に冷やしておいたパックのイチゴオレがそろそろいい感じに冷えているかもしれない。

浴室から出ると、私たちは黙々とタオルで水滴をふき取って、冷蔵庫から出した各々の持ち込み品を口の中に押し込んでいった。

「明日、10時だっけ、チェックアウト」

「そうそう。でも俺、講義あるからもうちょい早めに起きれたら起きまーす」

2回目から、宿泊をするようになっていた。

行為をして、持ち込んだものを食べて、眠って。
それから朝起きたらホテルの近くの牛丼屋に入って牛丼をかき込んで、有馬君が私を改札前まで送ってくれて終わり。

生きるための行為をしている感じ。

三大欲求のすべてに寄り添ってくれる年下の彼に対して、恋愛感情ではなくとも何かしらの気持ちを抱いているという自覚はあった。

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