今でもおまえが怖いんだ
ep.06 青山明人
ポイント3倍デーである13日、私は名古屋市のペットショップまで原付で遠出をした。

ポイント3倍デー、と書かれたのぼりが入口に1本申し訳程度に立っている以外、店内の装飾は普段と大して変わらない。
夏の売れ残りの冷却シートとかひんやりシリーズがワゴンに入れられ大特価になっていた。

いらっしゃいませー、と眠そうな声で言った女性スタッフは、こちらを振り返ってから「あ、いらっしゃいませ」と少し大きな声で言い直した。

「サブマネージャー待ちですよね」

そう言われ、私は「あ、いえ」と間抜けな返事をしてしまった。

お店に入ってすぐ右側には店舗全体とは空調を変えた部屋がある。
スライドの扉は普段閉められていて、小動物という札がぶら下がっている。
その扉をスタッフが開けてくれたので、私は軽く会釈をしながら中へと入る。

「青山サブマネージャー、彼女さんご来店ですー」

女性スタッフの通る声に、「いや、違いますよ!?」と否定する声が2つ重なった。
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