明日キミに聴かせたい

チ、チ、チ、、、

時計の針の音さえも聞こえないようにイヤホンを耳にしながら私は時計を見たけれど、まだ午前7時を過ぎた頃だった。

母は今日は佐藤さんら数人と以前から約束していた七福神巡りに出かけ、父は昨日から田中さんちに泊まりで出かけてまだ帰ってきていない。

こんな時、私は一人思うのである。

両親が好きなこと出来てて良かったと。

自分がこんなんだから両親が好きなことそっちのけとかになっていたら自分はきっともっと自分を責めていただろうか……


ブブッとスマホが私の手の中で震えたので見てみると、花瀬先輩からだった。

ーおはよう。日曜なのに早起きだね。

ーアルバム楽しみだね。

パンダが「GOOD」と言っているスタンプが何故か2回きて自分以上にコウのアルバムをこんなに楽しみにしている人がこんな身近にいたんだなと思いながら私は返事をした。


ー先輩も十分早起きですよ。

ーアルバム特典とかあるんですかね?


これが私と花瀬先輩、二人の日曜日の始まりだった。

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