明日キミに聴かせたい

新学期が始まり、クラスが替わっても私はまだ学校まで行けても教室までは向かえずにいた。


「はあ…」


あれから1年もの時間を自分はどうやって過ごして息をしていただろう?

何かを得ることが出来たのだろうか?


放課後を告げるチャイムが鳴り響いて、校舎から沢山の生徒たちが出てくるのを屋上から見ながら、静まるのをしゃがみこみながら白猫に触れながら待った。


「桜もまた散っちゃうな…」


「寂しくなるね」


ふと振り返ると花束を持った光希さんが立っていた。

「光希さん…」

「久しぶり、元気だった?」

そう言って光希さんは少し歩いて手にしていた花束を柵にもたれるように置くと「桜また散るね」と私に向けて微笑みながら言った。

その言葉に私は「でも寂しくないです。また春が来るのが楽しみです」と微笑み返した。


「また春が来たらキミは今よりもっと強くなってるね」

「はい」


自分が去年の自分より本当に強くなっているのか正直言って自信は無い。全然無い。

けれどここまで歩いてこられた。
始まりより前にちゃんと戻って来られた。



だから……


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