明日キミに聴かせたい

「名雄先輩」

『ん?』

「私のこと好きになったのって、廊下で私がしゃがんで猫とじゃれてた時ですよね?」

『なに思い出したの?』

「はい。あ、最初から忘れてません!!」

『嘘つけ、普通に忘れてたじゃんか(笑)』

「忘れてませーん」

『ああ、あの時の羽流は猫とじゃれてても素直で可愛かったのになー』

「ああ、あの時の名雄先輩はしゃがむ私に気づかずにドアを開けて私を蹴ってもすぐに認めて謝ってくれるほど正直な優しい人だったのになー」

『蹴ってねーよ!ちょっとつま先が当たっただけだってば!!』

「そうでしたっけー?名雄先輩記憶弄りました?」


嘘。知ってる。ちゃんと覚えてる。
コンッと私の背中に名雄先輩のつま先が軽く当たっただけだったことわかってるよ。慌てすぎだよ名雄先輩。可愛いな。ああ、愛しいな。


そんな昨夜の電話のやりとりを思い出していた。



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