明日キミに聴かせたい

生徒たちの視線を感じながら席に座ると「し、白神さん?」と前の席に鞄を置くなり黒髪でポニーテールで少しおっとりした癒し系な雰囲気の女子生徒が振り向いて私に声をかけてきた。

その手はぎゅっとスカートを掴み、顔を少し赤らめて周りには聞こえないぐらい小さな声で、けれど席に座る私には十分に聞こえる声だった。


「おはよう…」

「あ、おはよう…」

「私、伏本 彩羽(ふしもと いろは)」

「あ、私は白神 羽流っていいます」

「あ、同じ漢字入ってるね!ほら、羽」


そう言いながら伏本さんはブレザーからスマホを取り出すとメモアプリを開いて私の名前と自分の名前を漢字にしたものを私に見せながら笑った。


「あのね、お兄ちゃんが白神さんとお前仲良くなれるよって言ってたんだ!だからこれからいっぱいお話ししようね!」

「う、うん」


お兄ちゃん?お兄ちゃん……伏本彩羽……伏本……ふしも………え?まさかと思いながら私は世の中ってわりと狭いな。とバレないように少しにやけた。

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