明日キミに聴かせたい
さて、ここからは奈津が学校に行って橘先輩を見つけてから私に報告しに来るまでの話を奈津さんがしてくれます。
朝いつものように部屋に置かれた姿見で制服を着た姿をチェックして笑顔の自分に「いってきます」と告げて学校に登校した私(奈津)は、2年の校舎に入り、橘先輩の姿を探した。
廊下をウロウロしていると……
「奈津ちゃん?」
キター!!!と思わずガッツポーズなんて心の中でしながらニヤニヤを抑えて振り返ると、橘先輩が一人リュックを怠そうに肩に掛けながら「おはよう」と挨拶までしてくれた。
最近朝から先輩の声が聞けるせいか心臓が毎朝うるさいくらいドキドキしている。
私の寿命長くないかも。なんて考えていると先輩は一度自分の教室に入ってリュックを置くと、わざわざ廊下でぼーっと立っている私の元に戻ってきてくれた。