俺様ホストは 溺愛率100%
てっきり店長が来てくれたんだと思ったが、お客さんのことを"マダム"と言った時点で違うと思った。
「良かったら、今から僕とご飯でも行きましょう?ここの惣菜よりも、もっと美味しいものを食べに」
ふわっとレジの横を通り過ぎ、目の前のお客さんの横に並んだのはー…
「マダムにピッタリなワイン、おごりますよ。もちろん僕が、ご馳走させて頂きます」
さっきまでイートインスペースにいた、10万円の男の人。
…何で…
突然の登場にも驚いたが、空気が一気に変わったことにも驚く。
「何よ…あなた…」
さっきまで剣幕に怒っていたお客さんも、誰かわからない男の人が突然登場したため驚いて、さっきまでの勢いがなくなった。
「僕ですか?僕は、こういう者です」
そう言いながら、男の人はスーツの胸ポケットから一枚の名刺をお客さんに手渡した。
「ホストクラブ 相楽(さがら)
No.1 流星(りゅうせい)」
お客さんが名刺を見ながら、読み上げた。
ホストクラブ!?
No.1!?
流星!?
もう、お客さんが怒鳴ってきたことよりも、今目の前にいる10万円の男の人がやっぱりホストで、No.1だったということに驚く。