リングサイドブルー
「そっか。じゃあよかった」

 どちらにせよ、先手必勝だ。仕事にも、恋愛にも、これまでずっと腐っていたことのほうにこそ疑問を感じるのは、新しくできた仲間たちのおかげかもしれない。

(首藤さんから育児の悩み相談受けたり、ゆずさんからぐだぐだな恋愛話聞かされたおかげで自信がついたといったら申し訳ないけど)

 すっかり落ち着きのなくなってしまった有紗に、微笑みを向けてみる。有紗は赤らんだ頬を見せまいとするように一度頭を下げて「とりあえず行ってきますね」と大浴場に逃げていった。

(まだ俺も、捨てたもんじゃないかもしれない)
 ガラス窓に映る自分の顔を眺めながら、千晃は心の中でつぶやいた。


Thank you for reading, see you next story☆
< 101 / 102 >

この作品をシェア

pagetop