リングサイドブルー
親の手を煩わせまいと、就職してからは全部ひとりでやってきた。協力を求めれば喜んで手を差し伸べてくれるだろうが、それが毎日ともなると負担は計り知れない。

 千晃は足を止めた。今までたくさんのことを諦めてきた。今からでもミーティングルームに戻って断りを入れれば良いだけの話だ。心暖のことを大切にする。それだけでもたくさんの幸せを感じてきたはずなのに。

(上辺ばっかなのかな、俺)

 入り混じっているどの気持ちにダイヤルを合わせれば良いのかわからずに、千晃は肩を落とした。
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