リングサイドブルー
「かわいいですよね。すごくパドルっぽい色合いの水玉だなって思ったけど、子供服もあったんですね。いいこと知った、ありがとうございます」

「豊洲の店舗とオンライン販売だけだったと思うけど。新宿、渋谷のデパートだと扱いないっすね」

「へえ、豊洲エリアだと子供多いみたいですもんね。来週覗きに行ってみよう。すみませんでした、とつぜん話しかけてしまって」

「いえいえ」千晃は頭を下げた。
それまでじっと様子を窺っていた心暖が、首藤の服を引いた。

「あのね」
「うん?」話に耳を傾けようとして、首藤がその場にしゃがみこむ。

「パパね、ここではたらくんだよ」心暖が建物を指す。
「え、そうなんですか?」首藤は目を丸くした。

「いや、……まあ。システム開発で何ヶ月か顔を出すくらいですけど。今日はちょっと場所の確認で」なんとなく気まずさを感じながら、千晃は頭を掻いた。
< 28 / 102 >

この作品をシェア

pagetop