リングサイドブルー
(なんだ、この会社。普通に土日仕事してやがるのか?)
しかし、ブラック企業と決め付けるには、社員たちの表情は明るい。
「すみません」
すぐ近くで女性の声がして、千晃は振り返った。紺色のパンツスーツに身を包んだ女性が、こちらに向かって小走りで駆けてきた。
首からはネームプレートが下がったままになっている。首藤友香、どうやら親会社の人事部の人間のようだ。
「ちょっと訊いてもいいですか?」
下見をしにきたことに気付かれてしまったかと思い、挨拶をしようとしたところで「それって、どこのワンピースですか?」とまるで見当違いな質問が飛んできた。
その視線は、マスタードカラーに、オフホワイトの大きな水玉が様の入ったワンピースにある。先月、心暖の誕生日に買ったものだ。
「ええと、……パドルっていうとこの服ですね」
「やっぱりそうなんですね」首藤は胸の前で手のひらを合わせた。
しかし、ブラック企業と決め付けるには、社員たちの表情は明るい。
「すみません」
すぐ近くで女性の声がして、千晃は振り返った。紺色のパンツスーツに身を包んだ女性が、こちらに向かって小走りで駆けてきた。
首からはネームプレートが下がったままになっている。首藤友香、どうやら親会社の人事部の人間のようだ。
「ちょっと訊いてもいいですか?」
下見をしにきたことに気付かれてしまったかと思い、挨拶をしようとしたところで「それって、どこのワンピースですか?」とまるで見当違いな質問が飛んできた。
その視線は、マスタードカラーに、オフホワイトの大きな水玉が様の入ったワンピースにある。先月、心暖の誕生日に買ったものだ。
「ええと、……パドルっていうとこの服ですね」
「やっぱりそうなんですね」首藤は胸の前で手のひらを合わせた。