リングサイドブルー
「心暖に絵本買ってあるんだってさ。ケーキもあるって。楽しみだね」
「んー」

 明日からは保育園の後に毎日預かってもらうことになっているのだから、今から渋られると困る。

今更仕事をおりることはできないのだ。普段から預けていればこんなときに困らないのかもしれないが、今更遅い。

「パパとふたりがいい」
 それは千晃にとって嬉しすぎる言葉なのだが、この状況では胸が痛むばかりだった。

 月曜日から保育園のお迎えに行けないことを、心暖はどう受け止めているのだろう。まだ言葉にすることができないであろう心情を察しようとしながら道を歩いているうちに、あっという間に和菓子店に到着していた。
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