リングサイドブルー
(枯れた男ばっかの職場環境のせいか、そういうのも忘れてたけどな)

 開発チームは何人で、どんな面々が集まるのだろうか。首藤のように雰囲気の明るい女性がひとりくらいいると場が和みそうだが、仕事のできなさ加減を知られては幻滅されるだけだろうか。

勝手な期待に、落ち着かない気持ちのままスマートフォンを弄っていると扉が開いた。

 ネームを提げているから、男性はこの会社の社員だろう。すらりと背が高く、落ち着いた雰囲気だ。

千晃には、名前を聞く前からそれが誰なのかわかっていた。社内で出向の話が広まったとき、自分が入社する前に親会社のシステム課に破格の待遇で引き抜かれた社員がいると聞いている。それが彼に違いなかった。

仕事の出来以上に、誰からも好かれる人柄だったとエピソードをあれこれ聞かされたが、話で聞いていた人柄がそのまま物腰に表れている。
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