リングサイドブルー
☆
「戻りました」
休憩室から戻った千晃は、システム課の自席にひとり居残りしていた橋爪に、一応声をかけた。食後のコーヒーを啜っていた橋爪が、眉間にしわをよせたまま顔を上げた。
「おい」
「はい?」
「首藤、旦那と子どもいるからな」
「はあ? 知ってますよそんなことくらい」
「本社にゃいねーけど、旦那もこの会社の人間だから気をつけろよ。女どもは噂話好きなやつも多いからな」
いったい情報源はどこだ。くだらない勘繰りに呆れていると、橋爪が鼻を鳴らした。
「隣の課のK谷栞那とかな」
「それ、ぜんぜん伏せてないじゃないすか。つーか、みんな暇っすよね。他人の噂話とか、どうでもいいし。俺は仕事の続きやります。こっちは仕事以外も忙しいんで、残業なんてしてる暇ないんすよ」
「戻りました」
休憩室から戻った千晃は、システム課の自席にひとり居残りしていた橋爪に、一応声をかけた。食後のコーヒーを啜っていた橋爪が、眉間にしわをよせたまま顔を上げた。
「おい」
「はい?」
「首藤、旦那と子どもいるからな」
「はあ? 知ってますよそんなことくらい」
「本社にゃいねーけど、旦那もこの会社の人間だから気をつけろよ。女どもは噂話好きなやつも多いからな」
いったい情報源はどこだ。くだらない勘繰りに呆れていると、橋爪が鼻を鳴らした。
「隣の課のK谷栞那とかな」
「それ、ぜんぜん伏せてないじゃないすか。つーか、みんな暇っすよね。他人の噂話とか、どうでもいいし。俺は仕事の続きやります。こっちは仕事以外も忙しいんで、残業なんてしてる暇ないんすよ」