リングサイドブルー
「ばあちゃんちよりも、もっともっと遠いところ。だからもう会えないんだ。心暖、ごめんね。上手に仲直りできなかったんだよ」
「……なんで?」
「なんでかな。結婚するっていうことがよくわからないままに、新しい生活を始めようとしたからかもしれない、あのころは」
その言葉の意味を分かるはずもなかったが、心暖は眉根を寄せたまま千晃の顔を覗き込んでいる。
「パパ、いたいの?」
「ん?」
感情だけは伝わってしまうようだ。どうやら心暖は微妙な異変を察知して、こちらの心配をはじめたようだった。
「ちょっとまっててね」
心暖は急に体を起こし、保育園のバッグに手を入れた。それから、
「ほら!」
一転した得意げな顔で引っ張り出してきたのは、食べきりサイズの、たけのこの形を模したチョコレート菓子だ。バンドエイドでも出てくるのかと思っていただけに、これは予想外だ。
「……なんで?」
「なんでかな。結婚するっていうことがよくわからないままに、新しい生活を始めようとしたからかもしれない、あのころは」
その言葉の意味を分かるはずもなかったが、心暖は眉根を寄せたまま千晃の顔を覗き込んでいる。
「パパ、いたいの?」
「ん?」
感情だけは伝わってしまうようだ。どうやら心暖は微妙な異変を察知して、こちらの心配をはじめたようだった。
「ちょっとまっててね」
心暖は急に体を起こし、保育園のバッグに手を入れた。それから、
「ほら!」
一転した得意げな顔で引っ張り出してきたのは、食べきりサイズの、たけのこの形を模したチョコレート菓子だ。バンドエイドでも出てくるのかと思っていただけに、これは予想外だ。